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令和5年度 始業式あいさつ

 先ほど新任式にて,17名の新転任の先生方を紹介いたしました。

 また本日午後には,46名の新入生が入学してきます。新入生は高校生活への大きな期待と同時に不安も抱えているはずです。先輩である皆さん一人一人の溌剌とした姿が,本校生のお手本になります。後輩を導くよき先輩として後輩を暖かく迎え入れてほしいと思います。 そして私自身,加美農でのこの1年の間で多くことを教えられ感動ももらいました。また皆さんの真剣な取り組みを目の当たりにしてきました。今年度新たにお迎えした先生方とともに,加美農の新たな歴史を築いていってほしいです。

 始業式にあたり,私から皆さんへ2つのメッセージを伝えます。

 1つは,新年度からマスクの着用も含めて,新型コロナウィルスへの対応は大きく変化しました。学校では,引き続き感染対策はしながら,マスク着用については原則的に任意とするものの,引き続き周囲への思いやりのある行動をお願いします。特に,学校行事・寮行事についてはフルに戻し推進します。そのためにも,皆さん一人一人の日頃の頑張りが必要です。準備も含めてやるのは皆さん自身です。なぜなら,学校行事は本来生徒のものだからです。失敗を恐れず,仲間と協力し,2倍の努力,1人2役3役で,果敢にチャレンジしてください。成長し変化し続ける皆さんに期待しています。

 2つめは,本校と韓国の繋がりについてです。

 韓国水原市にある,水原農生命科学高校は本校の姉妹校で,30年以上にわたり交流を深めてきました。2年ほどコロナで途絶えましたが,昨年度リモートによる交流再開を果たしました。今年度秋には韓国から高校生が来校し,様々な学習・文化の親善交流を行う予定となっています。ぜひ楽しみにしてほしいのと,できるならば,韓国語を習得したり韓国の歴史文化(もちろん,日本についても伝えられるように)予習をしたり,個々人で勉強をしていてほしいのです。近くて遠い見知らぬ国ではなく,同じアジアの隣国として,相互理解を深めお互いに平和を築いていくことが重要です。

 1つのエピソードをご紹介します。

 本校バイオ棟前に,1本の梅の木が植えられています。物語は,今から400年以上前の豊臣秀吉の時代,仙台藩伊達政宗も3千の兵を朝鮮に出兵するという歴史がありました。朝鮮出兵です。政宗はその際に梅の木を持ち帰ったとされ,それを松島瑞巌寺の境内などに植えたといいます。その姿が「臥せた龍」に似ているところから「臥龍梅」と名づけられた紅白対の見事な梅の木があります。

 かつて,韓国からの高校生が瑞巌寺を訪れた際に,「この梅の木をぜひ里帰りさせたい」と熱望したそうです。その思いに応えようと,加美農生は本校バイオ部門での知識を活用して,許可を得て瑞巌寺の梅を接ぎ木をし,生長点から多くの苗を育てたそうです。それを翌年,加美農生訪問団が韓国の高校へ持って行き,その苗が校庭に植えられたと聞いています。接ぎ木した記念の苗が,両校の親善友好の証として今も大切に育てられているのです。今から30年も前のお話です。

 あらためて本校校訓「耕心」の原点に立ち返り,土を耕すように,自らの心を耕していくことそれは皆さんの一生の財産となるはずです。人の2倍の努力,1人2役以上で令和5年度加美農の主役となり,学習,実習,部活動,寮生活,農業クラブ・家庭クラブを盛り上げていってほしいと思います。